インターネットの健康情報の真偽を確認する方法
体の不調の原因や対策をインターネットを利用して調べる人は多いと思います。
しかし、健康情報サイトが医学的根拠のない治療法や、肩こりを「霊」の仕業となる等、インターネットの健康情報には偽の情報が混じっている可能性が否定できません。
そこで、そうした健康情報の真偽を確認する方法を紹介します。
なぜ、情報の真偽を確認する必要があるの?
昨今、インターネットを利用して、体の不調の原因や対策を調べる人は増加しています。
2014年版『厚生労働白書』によると、2009年に健康に関する情報源をインターネットから仕入れたと回答したのは32.6%だったのに対して、2014年には74.6%と2倍以上の大幅増加となっています。
しかし、各種ニュースで問題となったように、一部の健康情報サイトで、健康食品による医学的根拠のない放射能保護効果や、肩こりの解説記事で「霊」の仕業とする等、不健全な情報が搭載されていることも多く、その情報の真偽を見極める必要があります。
実際、Googleで「体調不良」と検索するだけでも、100万件以上もヒットする、まさに情報過多の時代ともいえます。
インターネット上では、多くの人がさほど調べもしないことを記事にしたり、また自身の体験のみを記載したもの等が数多く溢れているため、真偽不明な情報や質の低い情報が多く存在しています。
そのため、もしインターネットで検索した情報を健康改善等に役立てようとした場合、検索された情報の真偽・質を見極めなければなりません。
そこで、今回はそんなインターネット情報の真偽・質を見極めるための一般的な2つの方法を紹介します。
健康情報の真偽を判定する方法 その1【4W1H法】
いわゆる5W1H(誰が、いつ、どこで、なぜ、何を、どのような方法)の手法を用いた確認方法です。
(なお、インターネット情報となるので、「どこで」は確認する必要なく、また健康情報となるので、「何を」は「誰に対して」に置き換えます)
つまり、インターネット上の健康情報に対して、以下を確認してその真偽・質の判断に役立てる確認方法です。
①誰が(Who)
②いつ(When)
③どのような理由で(Why)
④誰に対して(Whom)
⑤どのような根拠で(How)
①は、そのインターネット上の健康情報を書いた人・会社が、信頼できる人かの確認です。確認のポイントは、その人の略歴・職業がその記事を書くにふさわしいか、他に書いた記事等の内容はしっかりしているかといった視点です。
②は、記事の投稿日・更新日等の確認です。なお、医学は日々進歩しているので、基本的には新しい記事のほうがいいのですが、情報の内容によっては必ずしも最新である必要がないものもあります。
③は、その記事の執筆目的が、あなたの健康の悩みと合致しているかの確認です。例えば、単に自身が実施した健康法の報告をしているだけの記事の場合、書いた人は自分以外で実施されることを想定しておらず、実は実施するうえで重要な情報を書いていないかもしれません。
④は、誰向けに対して書かれたのか、あなたはその対象かの確認です。基本的にはインターネットの情報は、多くの人を対象としていますが、記事の中には、特定の層をターゲットしているものもあり、その対象に合致していないとまるで意味が変わってくることもあります。
⑤は、その記事の根拠・データは何か、またはそれは自論なのかの確認です。ニュース等でも問題となった記事は、根拠のない健康情報をまるで真実かのように書いていたことです。健康情報に関しては、厚生労働省や各種医療機関のデータがない情報は、信じるのは危険です。
なお、口コミ等を根拠としているケースもありますが、人によって効果が違うものなので、鵜呑みにすることはできません。
健康情報の真偽を判定する方法 その2【比較法】
もう一つの方法は、調べた情報に関する他の人の見解も確認する手法です。
つまり、調べた情報と同じような情報が書かれたサイト等を検索して、複数の人が同じ結論を言っているか確認する手法です。
こうした確認をとることで、その情報は一人が考えた者でなく、複数の人が同じ考え、体験を持っているということで、偽の情報である可能性は薄まります。
ただし、以下の点には注意が必要です。
誤った情報が広まり、それを活用した記事が多く書かれるといった現象もインターネットでは多数存在します。
そのため、比較する際は、基の記事の情報をもとに書かれた記事以外と比較する必要があります。
(もちろん、基の記事の情報をもとに書かれたか定かでないため、その判断は記事の時期などをもと分析する必要があります)
最後に
人の性格にはそれぞれ個性があるように、人体もそれぞれ個性があり、健康法の効果も合う・合わないが必ずあります。
そのため、健康情報サイトも、一部の人には効果的(真実)であり、一部の人には効果がない(偽)となる場合もあります。
例えば、最近は遺伝子検査で、油を吸収しやすさや糖を吸収しやすさが人によって異なることが判明しております。
糖質制限ダイエットの情報を信じて、そのダイエットを実践したとしても、油を吸収しやすい人と糖を吸収しやすい人ではその効果は異なり、一部の人には良い情報となりますが、他の人には役に立たない情報という異なります。
上記2つの確認方法を上手く活用して、真実かつ自身にとって質の高い健康情報を取得してみて下さい。